開催地さいたま市中央区
☆毎月ひらくまちのミニシアター☆
広く国民の皆様に優れた映画を鑑賞していただくとともに、映画保存への理解を深めていただくことを目的に、文化庁と東京国立近代美術館フィルムセンターが、日本各地の文化施設と連携・協力して、所蔵映画フィルムを全国の会場で巡回上映させる優秀映画鑑賞推進事業。今年は、戦後の混乱を乗り越え、復興の時を迎えた日本に生きる様々な家族や夫婦の姿を描いた作品をご紹介いたします。
【作品紹介】
『煙突の見える場所』
東京・千住にある、見る場所によっては四本にも一本にも見えるという巨大な「お化け煙突」。この界隈を舞台に、戦後の日本を生きる庶民の悲喜こもごもを描き出した五所平之助監督の代表作。椎名麟三の短編「無邪気な人々」を中心に映像化された「不思議な笑い」を醸し出す一篇。出演は田中絹代、上原謙、高峰秀子ら。(1953/新東宝=スタジオ8プロ/白黒/108分)
『この広い空のどこかに』
『人間の條件』などの大作により、世界的巨匠となった小林正樹監督による第4作目。どこにでもある町の酒屋を舞台に、平凡な5人家族が抱える確執とやがて来る和解を、細やかに、かつ鮮やかにとらえたホームドラマの名作。出演は佐田啓二、久我美子、高峰秀子ら。(1954/松竹/白黒/109分)
『裸の島』
瀬戸内海の孤島で力強く生きる貧しい一組の家族を台詞なしで描く映画詩。新藤兼人監督自ら出資して、わずか13人のスタッフで、現地に合宿生活をして完成されたこの作品は、自主配給で公開されたが、モスクワ映画祭でグランプリを獲得するにおよび、世界64か国に輸出された。出演は乙羽信子、殿山泰司ら。(1960/近代映画協会/白黒/96分)
『名もなく貧しく美しく』
木下恵介監督の下でシナリオの修行を積み、助監督を務めた松山善三の第一回監督作品。ろうあ者同士の男女の出会い、結婚、子育てを描き、同年の毎日映画コンクール、ブルーリボン賞の脚本賞を受賞するなど高い評価を受けた感動作。出演は小林桂樹、高峰秀子ら。(1961/東京映画/白黒/128分)