開催地八潮市
話し言葉と同様に、書き言葉にも方言があることを知っていますか。文字、ことに漢字においても地域による差があり、「地域漢字」や「地域音訓」が実在しますが、ほとんど気付かれません。例えば、茨城県に多い「圷」(あくつ)、広島・山口県にある「垰」(たお)、宮城県の「閖」(ゆり)などです。
方言漢字は漢字学・日本語学・方言学の各学界でも注目されるようになり、漢検の漢字ミュージアムで常設展示となりました。さらに、本年度は待望の『方言漢字事典』(研究社)が刊行され、注目の度は増すばかりです。
ところが、方言漢字の宝庫である地名は、市町村合併や区画整理を理由に急速に消えつつあります。八潮市の「垳」についても、その7割にあたる区域で区画整理事業が進行し、2年後には工事完了する予定であり、地名が存続するか不透明です。
そこで、珍しい漢字を使う地域とそこに暮らす人々の生活、風土について一緒に考える機会として、全国唯一の方言漢字をテーマにすえた会を設けます。当イベントは6回目を迎え、内容は拡がりを見せ、参加者は全国規模です。個性溢れる漢字について考え、文字を創り出し、受け継いで郷土の人々やそれを支える文化、生活、歴史や自然についても学びます。
今回は前回に引き続いて「『方言漢字』書道展」を同時開催します。文字、漢字を考える絶好の機会になるでしょう。
また、関連イベントとして、方言漢字ウォーキング大会「垳地蔵の歩んだ道」(10月29日)も行います。関心のある方は、どうぞ奮ってご参加ください。この機会に、一緒に考えてみませんか?